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NIMS材料技術展示会2023 NIMS Technology Showcase

NIMS材料技術展示会2023 NIMS Technology Showcase

発表ポスター一覧

ポスター会場マップ


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発表ポスター一覧

A:エネルギー・環境材料研究センター(GREEN)
B:電子・光機能材料研究センター
C:磁性・スピントロニクス材料研究センター
D:構造材料研究センター
E:ナノアーキテクトニクス材料研究センター(MANA)
F:高分子・バイオ材料研究センター
G:マテリアル基盤研究センター
H:技術開発・共用部門/プラットフォーム
I:NIMS発ベンチャー

A:エネルギー・環境材料研究センター(GREEN)

A1 全固体電池電解質の焼結特性制御と伝導特性
Controlling sinterability and conductivity of electrolytes for solid batteries

三好 正悟

[キーワード]

酸化物型全固体電池 固体電解質 イオン伝導

[研究概要]

安全性に優れ、高性能な次世代電池として期待される酸化物型全固体電池の作製方法として、電解質を緻密に焼結するとともに電極活物質との接合を達成する焼成プロセスが期待されるが、高温における焼成により電解質/電極活物質界面に高抵抗な異相が生成する恐れがある。異相の生成反応を抑制することを目的とした焼成プロセスの低温化と、これにより得られる酸化物固体電解質の伝導特性について発表する。

A2 NMRによる固体電解質の拡散係数評価
Evaluation of Diffusion Coefficient of Solid Electrolytes by NMR

桑田 直明

[キーワード]

固体電池 マルチスケール解析 イオン拡散

[研究概要]

固体電池材料のイオン伝導機構を理解するため、Li+イオンの拡散係数を精密に測定する技術開発が求められている。近年、パルス磁場勾配(PFG)NMRプローブの進歩により、磁場勾配パルスを印加した後の回復時間が短縮され、T2緩和の短い固体電解質への応用が可能となってきた。本研究では、高いLi+イオン伝導性を持つ固体電解質材料をモデル材料とし、そのPFG-NMR法とインピーダンス測定、および飛行時間型二次イオン質量分析法を組み合わせることでLi+イオンの拡散機構を明らかにした。

A3 All-perovskiteタンデム太陽電池
All-perovskite tandem solar cells

▶NIMS成果講演4 11:25 -11:40(15分)
白井 康裕

[キーワード]

ペロブスカイト太陽電視 タンデム太陽電池

[研究概要]

持続可能な低炭素社会実現には太陽電池の大量導入が不可欠である。シリコン太陽電池の効率が理論限界に近付く中、より高い効率を目指してタンデム太陽電池が注目されている。特に、オールペロブスカイトのタンデム太陽電池が実現すれば、究極の軽量・低コスト太陽電池の実現も期待できる。
ペロブスカイト太陽電池は、2009年に初めて報告されて以来、わずか6年間でそのエネルギー変換効率は20%を超え、その変換効率のみに着目すると、従来のシリコン太陽電池(最高効率 26.7%)に迫る勢いがあり、さらに低温・溶液プロセスで素子を作製可能であるなど、注目すべき可能性を秘めた次世代太陽電池材料である。

A4 Pb-free perovskite solar cells

Islam Ashraful

[キーワード]

Perovskite solar cells(PSCs) Sn-based PSCs Stability

[研究概要]

Photovoltaic(PV)systems-have very little impact on the environment, making them one of the cleanest power-generating technologies available. Perovskite solar cells(PSCs)based on Sn-halide perovskite have attracted tremendous attention as an alternative to toxic Pb-halide perovskite due to their optimum photovoltaic properties.

A5 高効率水素液化法
Highly efficient hydrogen liquefaction

▶NIMS成果講演5 11:40 -11:55(15分)
夏目 恭平 神谷 宏治

[キーワード]

液化水素 磁気冷凍

[研究概要]

液化水素は脱炭素社会におけるエネルギー媒体として期待されています。水素の液化には大気圧下で20 K(-253℃)まで温度を下げる必要があり、その高効率化は重要な課題です。本研究の目的は、従来の気体の圧縮と膨張によって冷却する冷凍機に代わる高効率な新型の磁気冷凍機を開発することです。これまでに水素液化用の磁気冷凍システムの極低温における駆動を実現し、水素の液化に成功しました。社会実装に向けて更なる高性能化を目指しています。

A6 超極細超伝導線
The ultrafine superconducting wire

菊池 章弘

[キーワード]

超極細線 フレキシブルケーブル 抵交流損失

[研究概要]

現在、電気自動車や電動航空機のための超伝導モーターや超伝導発電機の研究が進められているが、それらに応用される超伝導線には、①複雑なコイル形状に巻くための耐曲げひずみ性(可とう性・フレキシブル性)と、②高周波の変動磁場下でも十分小さい交流損失特性の2つが極めて重要となる。しかし、現在の市販線はいずれも必須条件を満たしていない。本研究は、基本特性に優れた化合物系超伝導線の外径の超極細化に取り組み、モーター応用に必須な2つの重要課題を一気に解決する。線材外径を数ミクロン径まで極端に細くすると、脆い化合物系超伝導線もグラスファイバーのようにフレキシブルになり、交流損失も大幅に小さくなる。

B:電子・光機能材料研究センター

B1 べき乗則に従うスペクトルデータの自動前処理方法
Automatic Preprocessing Methods for Spectral Data Interpreted by the Power Law

柳生 進二郎

[キーワード]

測定スペクトル自動処理 セグメント回帰 べき乗、指数関数スペクトル

[研究概要]

実験のロボット化により、大量のスペクトルが生成され、その自動解析が求められている。スペクトル解析では、解析範囲の抽出やバックグラウンド成分の削除などの前処理が必要である。スペクトルの特徴は、微分(傾き)により捉えることができるが、ノイズが乗っているスペクトルの数値微分では、特徴を捉えることができない。セグメント回帰と情報量基準を用いることで、ノイズを含むスペクトルに対して特徴的な領域に分割し、その領域の傾き求めることができる。傾きの値を評価することで、解析対象領域の抽出が可能である。

B2 酸窒化ケイ素ガラスの作製と窒素導入による物性の向上
Synthesis of silicon oxynitride glasses and improvement of the properties by insersion of nitrogen

瀬川 浩代

[キーワード]

酸窒化ケイ素 ヤング率 光学特性

[研究概要]

最も高い耐熱性とヤング率を有し、高い紫外線透過特性を有する酸化物ガラスはシリカガラスであり、様々な用途に応用されている。酸化物ガラス中の酸素の一部を窒素で置き換えることによって、耐熱性や機械特性、化学耐久性が向上することが知られており、研究が進められてきた。しかしながら、原料の窒化ケイ素は高温で熱分解してしまうため、窒素を高い濃度で含有する酸窒化ケイ素ガラスについての製法は十分に確立しておらず、その物性もほとんど明らかになっていない。本研究では、シリカ粉末を窒化し、放電プラズマ焼結により、バルク状の酸窒化ケイ素ガラスの作製を試み、シリカガラスの物性を改良することを目的とした。

B3 再現性と化学安定性の高いKNN圧電セラミックスを合成する融液反応法の開発
Novel melt-reaction method to achieve KNN piezoceramics with unprecedented reproducibility and chemical stability

YUAN Dongsheng VASCHALDE Lucile VILLORA Garcia SHIMAMURA Kiyoshi

[キーワード]

Piezoelectric ceramics Pb-free materials(KxNa1-x)NbO3(KNN)

[研究概要]

Pb(Zr,Ti)O3(PZT)piezoelectrics contain toxic Pb, thus alternative materials are demanded. The(KxNa1-x)NbO3(KNN)family is promising, owing to its high Curie temperature and good piezoelectricity. However, this presents a poor homogeneity & chemical stability caused by alkali evaporation during the synthesis at high temperatures. Here, a novel melt-reaction technique is developed. High density & homogeneous KNN ceramics are sintered at low temperature. By preventing parasitic phases, high chemical stability, piezoelectric performance, and reproducibility are achieved in a wide range of K/Na stoichiometries. The new method will be extended to co-doped KNN.

B4 次世代蛍光体
Advanced phosphors for next-generation lighting devices

▶NIMS成果講演9 14:30-14:45(15分)
中西 貴之

[キーワード]

蛍光体 LED 波長変換材料

[研究概要]

光やX線のエネルギーを吸収し『人に有用な光に変換する物質:蛍光体』は世界の光科学技術を発展させるキー材料です。特に白色LEDを構成する可視蛍光体は様々な色を構築する重要な戦略物質であり長くNimsの得意とする材料となっています。近年、蛍光体用途はμLEDディスプレイや高輝度照明、医療シンチなどの電子産業に加え、セキュリティやコスメのファインケミカルなど多岐の広がりを見せ、用途に併せた特色ある新物質創出が求められます。本発表では、材料化を強く意識し開発した新規蛍光体として、分析光源として近赤外光を多分に含む『超白色LED用途の蛍光体』や『次世代μLEDを指向する狭線蛍光体』を紹介します。

B5 光メタ表面を用いた単一分子精度バイオセンサ
Metasurface Biosensors with Single-Molecule Precision

▶NIMS成果講演2 10:55 -11:10(15分)
岩長 祐伸

[キーワード]

バイオセンサ メタ表面 自動検出システム

[研究概要]

メタ表面は人工的な設計により特定の機能を発現するナノ構造表面であり、世界中で研究開発が行われている。NIMSにおいてメタ表面のなかで蛍光物質を特に高輝度化する光メタ表面を見出し、これを活用して、汎用的な蛍光バイオセンサへの応用を進めてきた。これまでに癌マーカー抗原などのタンパク質からセルフリーDNAなどの核酸に至る多様な検出対象の超高感度センシングに成功している。この方法は高感度、特異性、短時間での検出といった社会的な需要を満たす特長がある。

B6 量子センシング用ダイヤモンド結晶
Diamond crystals for quantum sensing application

▶NIMS成果講演6 13:30-13:45(15分)
寺地 徳之 宮川 仁

[キーワード]

量子センサ

[研究概要]

ダイヤモンド結晶中に形成されるNVセンタは、高感度磁気センサを始めとする様々な量子デバイスへの応用が期待されている点欠陥である。この優れたセンサ特性は、NVセンタの電子スピン状態が室温でも保持されることとスピン状態の読み取り・書き込みが容易なことに起因している。NVセンタを用いた磁気センサの感度向上には、ダイヤモンド結晶の高品質化や結晶中の窒素濃度の精密な制御が不可欠である。本発表では、量子デバイス応用のためのダイヤモンドの成長とNVセンタの形成について物質・材料研究機構での研究成果を述べる。

C:磁性・スピントロニクス材料研究センター

C1 温度計を超えた熱の検知と制御を実現する新しい熱流センサ
Novel heat flux sensor for heat detection and control beyond thermometers

桜庭 裕弥 Zhou Weinan

[キーワード]

熱流センサ エネルギーマネージメント 磁性材料

[研究概要]

電子機器、温調機器、自動車、医療機器、農業など様々な分野において、「温度」を検知し制御することは最も基礎的で重要な要素である。しかし、温度は、固体・液体・気体の間を問わず多様に流れる熱エネルギーにより時事刻々と変化する。そのため、流出・流入する熱流の情報を直接的に観測することは、様々な分野における温度制御やエネルギーマネージメント、機器の管理等で技術革新を起こす可能性がある。磁性材料特有の熱電現象を用いた新しい熱流センサは、低コスト・高いフレキシビリティ・低熱抵抗の観点で、従来のゼーベック熱流センサを圧倒する性能を有している。我々は、本センサの感度向上と実用展開を目指した研究を進めている。

C2 磁性金属薄膜を用いたテラヘルツ波材料開発
Ferromagnetic metal thin film development for terahertz application

高橋 有紀子 佐々木 悠太 葛西 伸哉

[キーワード]

テラヘルツ波 磁性薄膜 スピントロニクス

[研究概要]

テラヘルツ波は100 GHzから10 THz程度の帯域に存在する電磁波である。光の有する指向性と電磁波の透過性を両立することから、大容量通信や安全検査の観点からテラヘルツ波帯のデバイスが注目を集めている。磁性体における磁化・スピンの動作帯域はMHzからTHz帯まで広範にカバーできるため、これを用いて分光光源や検波素子の応用が考えられる。本研究では、大きなスピン分極率を有することから様々なスピントロデバイスへの応用が考えられているハーフメタルホイスラー合金と呼ばれる材料系に着目した。ハーフメタルホイスラー合金の一種であるCo2MnSiを用いることで一般的な磁性材料よりも高効率なテラヘルツ波発生が得られることが分かった。

C3 磁気メモリ・センサ応用のための巨大トンネル磁気抵抗素子の開発
Development of Giant Tunnel Magnetoresistive Devices for Magnetic Memory and Sensor Applications

▶NIMS成果講演1 10:40 -10:55(15分)
介川 裕章

[キーワード]

スピントロニクス 磁気センサー 磁気メモリ

[研究概要]

トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)はハードディスクや不揮発性メモリに利用されている磁性薄膜を用いた微小な電子素子です。TMR素子は抵抗変化を示す抵抗変化率を示すTMR比が大きいほど実用デバイスの性能の向上が可能になりますが2008年を最後にTMR比の更新が途絶えていました。本研究では単結晶薄膜の技術を結集し、強磁性層とバリアとの界面の結晶品質の向上を進めた結果、最大値を更新する室温631%のTMR比を実現しました。

C4 磁石を用いた高出力横型熱電変換デバイス: スピンカロリトロニクスの新展開
High-Performance Transverse Thermoelectric Conversion Devices Using Magnets: New Paradigm in Spin Caloritronics

内田 健一 安藤 冬希

[キーワード]

熱電変換技術 磁石 スピンカロリトロニクス

[研究概要]

スピントロニクス・熱電変換・熱輸送物性の融合分野「スピンカロリトロニクス」が近年急速に発展している。スピンカロリトロニクス特有の機能の一つとして、電流と熱流が直交する方向に変換される横型熱電変換を実現できることが挙げられる。横型熱電変換を用いれば熱電モジュール構造を大幅に簡略化できるため、汎用性の高いエネルギーハーベスティング・熱マネジメント技術への展開が期待されている。本展示会では、NIMSスピンエネルギーグループが最近開発した高い横型熱電変換性能と永久磁石としての磁気的性質を兼ね備えた熱電モジュールについて紹介する。

D:構造材料研究センター

D1 バイオミメティック可逆性接着
Biomimetic reversible adhesion

Hosoda Naoe

[キーワード]

バイオミメティクス 接着・剥離

[研究概要]

本研究は、生物が発達させた接着・剥離の原理解明と生物の形成プロセスを取り入れた発生生物学的バイオミメティクスによる新しい接着・剥離技術の開発を目指している。キイロショウジョウバエのサナギをモデルに新しい方向接着素線を開発した。

D2 機能性格子構造の力学応答評価
Assessment of the Mechanical Response of Functional Lattice Structures

Mercer Christopher

[キーワード]

Lattice Low Thermal Expansion Auxetic

[研究概要]

The research involves the design of functional lattice structures, such as low thermal expansion or auxetic(negative Poisson's ratio)lattices. Additive manufacturing is then employed to fabricate the functional lattices from metallic powders. Experiments are then conducted to evaluate the mechanical performance of the structures.

D3 レーザ3Dプリンタによる単結晶の造形
3D Printing Single Crystals Using Laser Additive Manufacturing Technology

北嶋 具教

[キーワード]

単結晶 3Dプリンティング

[研究概要]

航空機エンジンには耐熱強度に優れるNi基超合金の単結晶が使用されている。近年、この単結晶を粉末3Dプリンタで造形する取り組みが行われている。2018年に、電子ビームを照射して金属粉末を溶融・凝固させる電子ビーム方式により海外で初めて単結晶が造形された。しかし、電子ビーム方式の造形装置は高真空を必要とするため大掛かりな装置となる。我々は、導入コストと運転コストが安く、広く普及しているレーザ方式の造形装置で単結晶を造形する技術を開発した。これによりNi基超合金単結晶とその造形体の研究・開発が世界的に加速すると期待される。また、他の金属の単結晶造形に展開できる。

D4 積層造形装置用のレーザー吸収率測定装置の開発
Development of Laser Absorptivity Measurement System for Additive Manufacturing

本田 博史 渡邊 誠

[キーワード]

積層造形 レーザー 吸収率

[研究概要]

積層造形において使用される粉末材料の種類は増えているが、レーザーによる積層造形で造形に影響するパラメーターの一つであるレーザー光の吸収率が分かっている材料は限られる。そこで、既存の積層造形装置を用いて、吸収率の温度依存性の測定を試みたので紹介する。

D5 パーライト鋼の温間加工による組織制御
Modification of microstructure in pearlitic steel by thermomechanical processing at warm temperature

上路 林太郎

[キーワード]

加工熱処理 鉄鋼材料 塑性加工

[研究概要]

構造材料に高強度や高延性などの優れた機械的性質を付与する方法として加工熱処理がある。加工熱処理では、合金成分と製造プロセスを工夫して金属組織(結晶構造・格子欠陥など)を制御し、ニーズに応じた特性を得るのに適した材質を作り上げる。本研究では、スチールコードなど高強度鋼線の主要金属組織であるパーライト鋼の金属組織微細化技術を検討している。応力付与下で熱処理することにより、パーライト組織の結晶粒径に相当するノジュールサイズが微細化され機械的特性向上を図ることができる。

D6 ギガサイクル疲労試験と技術移転
Ultrasonic fatigue testing and technology transfer

古谷 佳之

[キーワード]

疲労 金属材料 超音波疲労試験

[研究概要]

高強度の金属材料では疲労限が存在しない場合が多いため、繰返し数が109回を超えるギガサイクル疲労試験が必要となる。ここで、繰返し速度が20 kHzの超音波疲労試験を使用すれば、通常は数ヶ月を要するギガサイクル疲労試験を1日で完了できる。ただし、超音波疲労試験を使用する際には、繰返し速度の影響に注意する必要がある。そこで、繰返し速度の影響を解明し、超音波疲労試験を適用できる材料・条件を明確化する試みを行っている。また、様々な材料・条件に適用するため、高温超音波疲労試験等の周辺技術の開発を行っている。これらの研究で獲得したデータや周辺技術を移転することで、ギガサイクル疲労試験技術の普及促進を図る。

D7 高温下のミクロな疲労破壊過程のその場観察
In-situ observation of microscopic fatigue behavior under elevated temperature

▶NIMS成果講演7 13:45-14:00(15分)
西川 嗣彬

[キーワード]

金属疲労 高温その場観察 耐熱超合金

[研究概要]

航空機エンジンを安全に運用するためには、離着陸などによる力の繰返しによる金属疲労を厳格に管理する必要がある。そのためには、疲労損傷のメカニズムを正しく把握する必要がある。金属疲労は1 mmに満たない疲労亀裂が発生・成長することにより起こるため、高温下でのミクロな疲労損傷過程を知る必要がある。本研究では、独自のマイクロスコープによる自動疲労損傷観察システムを応用することで、高温下での疲労損傷メカニズムのその場観察を実現した。さらに、システムを活用してNIMSが開発した耐熱超合金の高温下でのミクロの疲労亀裂の成長における特異な酸化の影響を解明することに成功した。

D8 微小球反発硬さ試験機
Small Ball Rebound Hardness Tester

宮原 健介

[キーワード]

JIS 反発係数 品質管理

[研究概要]

微小球反発試験機は、微小球(直径3mmのアルミナ球)を試料に衝突させ、その際の反発係数を測定する反発式の硬さ試験機です。誰でもすぐに使用でき、金属/食品/セラミックス/ゴム/木材など、幅広い材料に適用できます。2017年の製品化後、2022年に経済産業省の新市場創造型標準化制度に採択され、現在は日本規格協会のサポートの下でJISの原案作成が進められています。

D9 耐水素ニッケル合金の開発に向けた、銅ニッケル合金の水素脆化メカニズム解明
Elucidation of Hydrogen Embrittlement Mechanism in Cu-Ni Alloys for the Development of High-strength Hydrogen-compatible Nickel Alloys

和田 健太郎

[キーワード]

水素脆化 高圧水素ガス 低ひずみ速度引張試験

[研究概要]

ニッケル合金は強度や耐熱性、耐食性などにおいて優れた特性を有する一方、水素環境下で延性が低下することが水素利用機器への適用上で障壁となっている。水素によりニッケル合金の延性が低下するメカニズムがいくつか提案されているが、それぞれのメカニズムがどのような条件で発現し、水素脆化の主要因となるかは不明であった。本研究では、比較的単純な合金系を対象に、各合金組成において支配的となる水素脆化メカニズムを調査した。その結果、純ニッケルにおいては結晶粒界に沿って集積した水素が水素脆化を支配することが明らかとなった。この知見を基に水素に強いニッケル合金の開発を目指している。

D10 レーザ熱加工によるステンレス鋼の迅速・低コストな高耐食性化処理技術
Corrsion inhibition tehnique by low-cost and high-speed laser thermal treatment for stainless steels

堤 祐介

[キーワード]

ステンレス 耐食性 表面処理

[研究概要]

レーザを利用したステンレス鋼中の介在物形成を抑制する技術、および電気化学処理によるステンレス鋼表面の介在物を除去する技術により、ステンレス鋼の耐食性を飛躍的に向上できることを実証した。従来の防食技術はステンレス素地の溶解を抑制する、不働態皮膜を強固にするなど、疾病の治療で例えると対症療法であったのに対して、本技術は腐食の直接的な原因を排除する、原因療法に相当する。介在物という足枷により、本来の性能を発揮できていなかったステンレス鋼は、適切な追加処理により、そのポテンシャルを最大限に発揮できるようになると確信している。

D11 Fe-Mn-Si系厚鋼板の摩擦攪拌接合技術の開発
Friction stir welding of Fe-Mn-Si alloy thick plate

柳樂 知也

[キーワード]

構造材料 接合 機械的特性

[研究概要]

NIMSで開発されたFe-15Mn-10Cr-8Ni-4Si(FMS)合金は、優れた低サイクル疲労寿命を有しており、新たな制振ダンパー用の鋼材として期待されている。しかしながら、この材料は従来のアーク溶接では、凝固割れが生じやすいため、新たな溶接・接合技術の開発が望まれている。そこで本研究では、固相接合法の一種である摩擦攪拌接合(FSW)を用いて、10 mm厚さのFMS鋼板に対して継手の作製を行い、接合性および引張強度や疲労寿命などの機械的特性の観点からFSWの適用の可能性について検証した。

D12 TEMその場観察による構造材料の組織解析技術開発
Characterization of microstructure evolution in structural materials by in-situ TEM technique

井 誠一郎

[キーワード]

透過型電子顕微鏡 その場観察 格子欠陥

[研究概要]

構造材料など実用材料の材料設計を行うためには、実用に資するための特性およびその特性発現のために必要な材料組織を理解するとともに、その組織が使用環境でどのように変化するか、その挙動を把握することが重要である。各種電子顕微鏡を用いた構造材料特有の組織解析技術の高度化を目指した研究活動を推進している本グループの中で、本報告では応力負荷に対する材料応答のTEM内その場観察による調査、特に応力負荷時の材料組織変化における結晶粒界の振る舞いを評価した成果を紹介する。

E:ナノアーキテクトニクス材料研究センター(MANA)

E1 モノリス型シリコーン拡散反射材
Monolithic silicone diffuse reflective material

早瀬 元

[キーワード]

モノリス型多孔体 拡散反射 シリコーン

[研究概要]

ドローンやリモートセンシングの普及で大面積の拡散反射ターゲットの需要が高まっている。これまで硫酸バリウムやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が拡散反射材料として用いられてきたが、シリコーンのモノリス型多孔体を用いた拡散反射材料を新たに提唱する。可視光域を中心とした高い反射率とランバート反射に近い反射特性のみならず、耐水性や耐紫外線、CNC切削による機械加工性をもつ。屋外環境でも変質しにくいことから、標準のみならず日射反射材料としても期待できる。

E2 ダイヤモンド高移動度トランジスタ
Diamond high-mobility transistor

山口 尚秀 笹間 陽介

[キーワード]

ダイヤモンド 六方晶窒化ホウ素 トランジスタ

[研究概要]

私たちは、従来主に使われてきたアルミナなどの酸化物の代わりに六方晶窒化ホウ素(h-BN)をゲート絶縁体として使うとともに、水素終端ダイヤモンド表面を大気に晒さない新しい作製手法を用いることで、高性能なダイヤモンド電界効果トランジスタ(FET)の開発に成功しました。低損失・高速動作に適した高い正孔移動度と、安全性の観点から重要なノーマリオフ動作を両立しました。従来必要と考えられてきた表面トランスファードーピングを行わないことで水素終端ダイヤモンドFETの特性を向上できることを示しました。

E3 大規模第一原理計算プログラムの開発、公開と応用
Development, Release and Applications of a large-scale first-principles calculatoin program

宮崎 剛 中田 彩子

[キーワード]

大規模第一原理電子状態計算 CONQUEST ナノスケール複雑構造

[研究概要]

物質の構造や電子状態を実験結果無しでも計算できる第一原理計算を数万原子超モデルに適用することが可能な大規模第一原理計算プログラムCONQUESTの開発、公開を行っている。
従来の第一原理計算手法は計算量が膨大なため計算できる系のサイズに限界があるが、我々の技術ではオーダーN法やマルチサイト法など精度を落とすことなく計算コストを削減できる独自の計算手法や高並列化効率の実現により、数万原子を含む第一原理計算が可能となっている。
スパコンを用いた大規模計算により、材料の複雑表面、界面のナノスケール構造やアモルファスなどの非周期材料へ応用している。

E4 第一原理計算プログラムPHASE/0の開発と応用
Development of first-principles calculation program PHASE/0 and its applications

奈良 純

[キーワード]

第一原理計算 電子状態計算

[研究概要]

近年、材料研究において計算機シミュレーションが必須となってきている。特に、新規な物質・材料の開発や、特性の裏にあるメカニズム探求に力を発揮すると期待されている。シミュレーションには高精度、大規模、高速計算が可能であることや多様な解析機能が望まれている。我々が開発している第一原理電子状態計算プログラムPHASE/0は密度汎関数法を用いておりそれらの要求を満たす。各種の解析機能を搭載し様々な実験手法との直接比較が出来るとともに、解析・描画に使える各種ツールや計算準備・結果表示を容易にするGUIも利用可能である。我々はこれらのプログラムを一般に公開するとともに、低次元系材料、電池材料などの研究に適用している。

E5 分光型熱放射材料の開発
Materails Development for Spectrosocpic Thermal Emission

長尾 忠昭

[キーワード]

セラミックス ナノ構造 熱放射

[研究概要]

所望の光熱変換や熱吸収放射機能を発現させ実用に供するためには、電磁気学的な境界条件のエンジニアリングと物質合成や結晶学的な知見を踏まえた材料物理学的アプローチの両立が不可欠である。我々は赤外物性探索と表面電磁場設計とを相互に連携させた熱放射材料を開発している。この成果を、スペクトル制御型の赤外線ヒーター、赤外光源、太陽熱発電や温調技術へと応用し、熱線研究における新機軸を生み出してゆく。

E6 高性能熱電発電および冷却の材料・デバイス
High performance thermoelectric power generation & cooling materials & devices

森 孝雄

[キーワード]

熱電材料・デバイス 発電 高性能

[研究概要]

新規な高性能化原理の開拓により、熱伝導率の低い多結晶試料でありながら単結晶並みの高移動度を有する資源豊富な高性能新規熱電材料を開発した。半世紀以上チャンピオンのビスマステルル系熱電材料の最高性能の高価モジュールに初めて匹敵する7.3%の変換効率を初期組み立て第一号モジュールで達成した。実際開発された材料はより高性能を有しており、実際、最近単素子デバイスで世界最高の~12%の熱電変換効率を達成した。希少で高価なビスマステルル系でも800億円のペルチェ冷却市場を有し、今後の置き換え・市場拡大だけでなく、膨大に存在する室温~400℃の未利用熱の有用な熱電発電の実装によりカーボンニュートラルへの貢献も期待される。

E7 白く、透明にもなる、酸化鉄でUVカット
UV ray protection by white oxidized Fe

井出 裕介

[キーワード]

鉄 アクア鉄 多孔質シリカ

[研究概要]

鉄鋼や磁石、触媒、食品用顔料などとして工業的に幅広く使われている鉄色や黒色、赤色を呈する鉄や酸化鉄を、「白色で、無色透明にもなる酸化鉄」に変えられれば、その資源としての豊富さ、低コストも相まって、革新的材料の創製につながる。そのキー物質と考えられるアクア鉄は、環境中や微生物中の酸化鉄形成の中間体とも考えれており、材料も含め各分野で重要性が認識されているにも関わらず、極めて不安定なため、安定化と構造設計技術が確立されていなかった。我々は、2核のアクア鉄を粘土鉱物等を用いて安定化することに成功したのを端に、より多核のアクア鉄オリゴマーの設計、および、応用を探求している。

E8 液体エレクトレット
Liquid Electrets

中西 尚志

[キーワード]

液体エレクトレット 振動センサ・発電 アルキル化π共役分子液体

[研究概要]

環境発電・センサの中でも特に軽量、高安定出力、且つ優れた伸縮性の素子は、遠隔医療、ヘルスケア医療器具、ロボット応用に向けた理想的なウェアラブル電子素子として近年注目されています。自由変形可能で且つ静電荷を高密度に安定保持できるエレクトレットは、同目的に最適な分子材料となります。我々は、π共役部位を嵩高く柔軟な分岐アルキル鎖で被覆・保護する分子設計戦略を用いて、アルキル化π共役分子液体内に静電荷(荷電イオン種)を安定に保持した、液体エレクトレットを世界で初めて見出しました。同液体を基材とした振動発電・センサ素子は自由変形性があり、人体運動程度の低周波数振動に優れた応答性を示しました。

E9 アルデヒド/アルコール/エチレンセンサ
Aldehyde/alcohol/ethylene sensor

石原 伸輔

[キーワード]

ガスセンサ カーボンナノチューブ 分子変換

[研究概要]

Society5.0の実現に向けて、フィジカル空間の化学情報を収集するための安価で小型なガスセンサが求められているが、既存のガスセンサは感度や選択性に課題がある。本研究では半導体カーボンナノチューブを用いた電気抵抗検知型の小型センサに様々な化学反応や触媒反応を組み合わせることで、ホルムアルデヒド・メタノール・エチレン等のガスを高感度かつ高選択的に検出・識別できるセンシング技術を確立した。本技術は環境常時モニタリングによる有害物質の迅速検知や、メタノール入り密造酒の簡易検出、アグリテックによるフードロス削減などへの応用が期待できる。

E10 チューナブル発光/受光材料
Tunable light absorbers and emitters

白幡 直人

[キーワード]

発光材料 光電変換材料 ナノ粒子

[研究概要]

「光」の工学的な活用が進み、電界発光、光電変換や光熱変換を利用した材料の活躍の場が広がっている。最近では、受光や発光特性に対し精緻な波長選択性が要求されるケースが増えている。我々は、受光/発光を担う活物質の合成に取り組んでいる。具体的には、湿式合成を基盤にして、前駆体工学にドーピング技術とリガンド工学を巧みに組み合わせることで、紫外-可視-短波赤外の広帯域における任意の波長で発光/受光特性を示す微粒子を開発している。そして、それら微粒子を活物質に具備する発光ダイオード、フォトダイオードなどの光エレクトロニクス素子や医療診断に貢献する水溶性微粒子の創製を進めている。

E11 放射冷却による24時間熱電発電
Radiative cooling for continuous thermoelectric power generation in day and night

石井 智

[キーワード]

放射冷却 環境発電 太陽熱

[研究概要]

日中放射冷却構造は、日中でも放射冷却によって受動的に冷えるため、常に気温に対して温度差を得られる。この温度差を熱電素子に与えることで、昼夜常に発電し続ける素子が実現できる。加えて、透明熱電素子を用いることで、放射冷却と太陽熱を同時に利用して温度差を生じさせ、発電できる。今回はこれら2種類の環境発電素子について紹介する。

F:高分子・バイオ材料研究センター

F1 銅の抗菌・抗ウイルス活性を農業・医療に活かす
Utilization of copper antibacterial and antiviral activity in agricultural and biomedical fields

山本 玲子 大田 将禎 赤野 八寿雄

[キーワード]

抗菌・抗ウイルス活性 銅ナノ粒子 生体高分子

[研究概要]

多剤耐性菌の蔓延は世界的課題であり、抗菌薬の適性使用と共に薬剤に頼らない殺菌法が必要である。国内抗菌薬使用量の約1/3は医療用途だが、他は動物用医薬品や農薬・飼料添加物等食料生産関連であり、後者における抗菌薬使用低減も重要である。
銅の殺菌力は芽胞や真菌、ウイルスを含む幅広い病原微生物に対し有効である。農業分野では無機銅剤として100年以上の実績があるが、近年、土壌中銅蓄積が問題になりつつある。
そこで、従来剤よりも少ない銅含有量・施用量で同等以上の抗菌効果を有する抗菌性複合体を開発した。銅ナノ粒子を生体高分子に担持させ、付着性・残効性を向上させる。生体高分子•補助剤の組合せにより抗菌活性を制御できる。

F2 低温・高圧下での低コストCO2回収システムの開発
Development of low-cost CO2 recovery system under low temperature and high pressure

一ノ瀬 泉 井上 瑞基

[キーワード]

PDMSラバー CO2分離 CO2液化

[研究概要]

経済的に利用可能な低コストCO2回収技術は、脱炭素社会の実現のために必須となる。輸送や圧入を考えると液状CO2として回収する必要があり、コストは3,000円/t-CO2以下が望ましい。天然ガスやバイオガスの生産では、メタンから高濃度のCO2を分離する必要があり、一層の高効率化が求められている。我々は、低温・高圧でCO2を吸脱着する高分子エラストマーを用いて、従来にない高効率CO2回収システムを開発している。高分子エラストマーのCO2吸着エンタルピーは10kJ/mol以下であり、常圧に戻すことで、吸着したCO2が容易に脱着する。NIMSでは、簡易深冷法と高分子エラストマーの吸着塔を組み合わせることで、高効率液状CO2回収技術を開発している。

F3 4D印刷技術を用いた医療材料開発
Development of Medical Materials Using 4D Printing Technology

宇都 甲一郎 荏原 充宏

[キーワード]

形状記憶高分子 4D印刷 バイオメディカルデバイス

[研究概要]

4D印刷技術は、従来の積層造形技術を進化させたものであり、経時的な形態変化という新しい次元を製造プロセスに組み込むことで、機能性材料の開発や生産方式に変革をもたらすと期待される。NIMSでは、高分子ナノアーキテクトニクスの精密設計・合成により形状記憶高分子(SMP)材料の転移温度、分解性、力学特性や形状記憶特性を制御する方法論の構築に成功している。このSMPを基軸とし、3D印刷などの積層造形法と組み合わせることで従来の分子論に限定されない、構造論を併用した材料機能設計を展開し、高機能性4D印刷材料の創製が可能となる。SMPの4D印刷技術を深化させることで、日本発のSMPバイオメディカル材料の開発を目指す。

F4 自己修復機能を持ったイオン伝導性高分子ゲル材料
Self-healing ion-conductive polymeric gel materials

▶NIMS成果講演3 11:10 -11:25(15分)
玉手 亮多

[キーワード]

自己修復 高分子ゲル イオン液体

[研究概要]

巨大タンパク質や天然ゴムなどに匹敵する100万を越える分子量を持つ超高分子量ポリマーと不揮発なイオン液体からなる自己修復ゲル材料を、極めて簡便に創製する手法を開発した。このポリマーはリサイクル性に優れ、循環型経済に資するだけでなく、IoT基盤技術に必須の高耐久性フレキシブルデバイス用イオン伝導材料への応用が期待される。

F5 医療用超分子接着剤
Supramolecular Adhesives for Biomedical Applications

田口 哲志

[キーワード]

医療用接着剤 超分子 タラゼラチン

[研究概要]

脳腫瘍摘出等の開頭手術後の硬膜閉鎖に使用されている接着剤は、頭蓋骨内で接着剤硬化物が膨潤するため、脳硬膜閉鎖能と硬化物の非膨潤性を有する接着剤が求められている。本研究では、α-シクロデキストリン(αCD)の分子包接能に着目し、スケソウダラゼラチン(ApGltn)にデシル基を高導入したC10-ApGltnにαCDを添加した包接ポリマー(αCD/C10-ApGltn)を調製し、ポリエチレングリコール系架橋剤(4S-PEG)と組み合わせることによる2成分系超分子接着剤を設計した。得られるαCD/C10-ApGltn溶液の粘度、接着剤硬化物の膨潤変化率、耐圧強度および生体親和性について評価した。

F6 組織マーキングのための蛍光医療材料
Fluorescent medical materials for tissue-marking

吉冨 徹 Doan Van 竹口 雅樹 川添 直輝 陳 国平

[キーワード]

蛍光医療用材料 組織マーキング

[研究概要]

消化管癌の外科的切除において適切な切除範囲を決めるために、術前にマーキングが行われる。しかし、一般に用いられる術前点墨は、注射後に組織内を拡散するため、精密なマーキングが困難である。この問題を解決するため、筑波大学消化器外科と共同で、ピンポイントにマーキング可能で視認性の良い新規材料を開発した。開発中の蛍光性医療材料は、長期間の残存性とピンポイントの視認性が確認でき、大動物でも効果が確認できた。現在、特許も出願し、実用化に向け研究を進めている。

F7 サーキュラーエコノミー時代の再生可能接着剤
Recyclable adhesive in circular economy era

▶NIMS成果講演8 14:00-14:15(15分)
内藤 昌信

[キーワード]

接着剤

[研究概要]

リサイクルとタフ化の両立は接着剤に求められる未踏課題である。特に水中で強固に接着させる材料は、製造・インフラ補修から、身近な日常生活にまで応用が期待される。本論文では、生物由来の新規接着モチーフとして、カフェ酸に注目した。カフェ酸は、生物接着に特有の接着因子としての機能と、光照射により可逆的な環化反応を起こす。この特徴を利用することで、必要な時に何度でも再利用でき、かつ、不要になったら初期状態に回収することができるタフ化接着剤を開発した。さらに、この光可逆性接着剤に磁性ナノ粒子を添加することで、遠隔操作による磁気誘導加熱を利用した水中接着を実現した。

F8 高分子のモノマー配列を質量分析とAIで決定する解析手法を開発 ~新たな素材開発やプラスチックのリサイクル・劣化評価のツールに~
Development of an AI-Based Mass Spectrometric Technique Capable of Determining the Monomeric Sequence of a Polymer

内藤 昌信 日比 裕理

[キーワード]

ポリマーシークエンサー

[研究概要]

質量分析にAIを取り入れることで、高分子のモノマー配列を決定する手法を開発しました。本解析手法は、高分子材料の基本構造の詳細な理解を可能とし、新たな素材開発やプラスチックのリサイクル問題の解決に向けた切り札として期待されます。

F9 シングルイオン伝導性高分子電解質
Single-ion conducting polymer electrolytes

池田 太一

[キーワード]

高分子電解質

[研究概要]

シングルイオン伝導性高分子電解質は、軽量・フレキシブル・透明な電解質として2次電池・スーパーキャパシター・エレクトロクロミックデバイスなどの電解質としての応用が期待されている。本研究では側鎖の設計自由度の高い新規高分子骨格であるグリシジルトリアゾリルポリマーを利用した高分子電解質を合成した。側鎖に分岐構造を導入することで世界最高レベルのイオン伝導度を達成した。

G:マテリアル基盤研究センター

G1 次世代の第一原理電子状態計算の手法開発と応用展開
Development and Applications of Next-Generation Ab-initio Electronic State Calculation Methods

中野 晃佑

[キーワード]

第一原理量子モンテカルロ法 第一原理電子状態計算 ハイスループット計算

[研究概要]

第一原理量子モンテカルロ法は、モンテカルロ法を利用して多体シュレーディンガー方程式を数値的に解くことで物質の電子状態を計算する方法である。本手法は、現在最も普及している第一原理計算手法の難点を解消しうる、次世代の厳密計算手法として期待されている。21世紀になり大型並列計算機が発達したことにより、モンテカルロ法を利用することに起因する原理的な問題であった統計誤差の問題が大幅に緩和され、実用化が急激に進んだ。スーパーコンピューターとの相性がよく、開発競争が始まっている。発表者は、現在開発中の、第一原理量子モンテカルロ法を実装するソフトウェア群の概要と応用事例について報告する。

G2 新しい顕微鏡技術による高度な計測
Advanced measurement with new microscopy techniques

CRETU OVIDIU

[キーワード]

Transmission electron microscopy New characterization methods 2D and 1D materials

[研究概要]

Our aim is to extend the range of information that can be obtained by transmission electron microscopy(TEM)by developing new analysis methods. By combining these new techniques with the already impressive capabilities of modern TEMs, we can measure material properties which are not accessible by any other methods. This furthers our understanding of the advanced materials investigated and provides feedback towards improving their performance.

G3 電気化学液体セルTEMホルダーの開発
Development of electrochemical liquid Cell TEM holder

竹口 雅樹

[キーワード]

透過型電子顕微鏡 電気化学液体セル

[研究概要]

我々はこれまで液中試料のTEM観察のための自作液体セルや液中高分解能観察技術の開発を行ってきた。今回、水電解や二次電池、燃料電池などの電極・電解質材料の研究のために電気化学反応その場TEM観察が可能な電極付き液体セルを開発した。

G4 オペランド電位計測によるデバイス評価
Characterization of devices by operando imaging of electric potential distribution

石田 暢之

[キーワード]

電位計測 ペロブスカイト太陽 全固体リチウムイオン電池

[研究概要]

走査型プローブ顕微鏡技術の一つであるケルビンプローブフォース顕微鏡を用いたデバイス評価手法を開発した。デバイス動作下において、デバイス内部の電位変化を測定することで、デバイス動作原理を微視的視点から理解することを目的としている。本発表では、開発した手法をペロブスカイト太陽電池や全固体リチウムイオン電池の評価へ応用した事例を紹介する。

G5 高温NMRによる無機材料評価
High-temperature NMR of Inorganic materials

端 健二郎

[キーワード]

固体NMR

[研究概要]

核磁気共鳴法(NMR)は、スペクトルを測定することで物質の構造に関する微視的な情報を、また、スピン格子緩和時間を測定することで物質内部の動的な情報を得ることができることから、物質の材料特性を微視的な状態と結びつけることができる有力な分析手段となっている。NMR測定は一般には室温で行われることが多く、温度を変化させる場合でも上限は150℃程度に限られている。しかし、固体電解質など室温でのイオンの動きが遅い場合には、より高温にすることによって運動性を高めた状態での測定が必要な場合がある。そこで400℃という高温まで昇温のできるNMRプローブを開発し、固体電解質などの測定に適用したので、その例を紹介する。

G6 イメージング型顕微スピン分解光電子分光装置の開発
Development of imaging-type spin-resolved photoemission microscopy

矢治 光一郎 津田 俊輔

[キーワード]

顕微光電子分光

[研究概要]

量子材料やスピントロニクス材料の研究において、その機能や特性に寄与する電子状態をスピンも含めて可視化することは極めて有用である。特にサブミクロン領域の局所的な電子状態の解明が重要視され、世界中で顕微光電子分光装置の開発が加速している。最近NIMSでは、世界に先駆けてサブミクロン領域におけるスピン偏極電子状態の分析を可能にする顕微スピン分解光電子分光装置の開発に成功した。発表では装置の性能といくつかの計測例を紹介する。

G7 限りなく結晶に近い酸化物ガラスの合成
Synthesis of oxide glasses which are exceedingly close to crystals

小原 真司 佐藤 柊哉

[キーワード]

ガラス X線回折 中性子回折

[研究概要]

我々は酸化物ガラスに高温・高圧処理を行うことによりガラスを高密度化させることにより結晶に近い秩序を持たせることにより、高屈折率や高強度のガラス合成を試みている。さらに、X線回折や中性子回折を駆使し、ガラスの機能発現に資する構造の特徴量の抽出に取り組んでいる。今回は、世界一構造秩序のある高密度シリカ(SiO2)ガラスおよびガラスにならないと考えられていたアルミナ(Al2O3)ガラスの特異な構造を紹介する。

G8 ロボット/シミュレーションを統合した自律材料探索システム
Autonomous materials search system integrating robotics and ab-initio simulation.

岩﨑 悠真 Hwang Jaekyun

[キーワード]

機械学習 自律探索

[研究概要]

近年の材料の空間は非常に広大となっており、従来の人間による合成・計測・考察を繰り返す方法では、その全てを効率的に探索するのは難しい。この背景を踏まえ、本発表では、材料実験、材料シミュレーション、ロボティクス、および機械学習を統合した新しい自律材料探索システムを紹介する。

G9 データ駆動的アプローチに基づく特徴量構築と材料設計
Feature extraction based on a data-driven approach toward material design

永田 賢二

[キーワード]

データ駆動的アプローチ ベイズ推定 特徴量構築

[研究概要]

Materials Genome Initiativeに代表されるように、材料開発にデータ科学や情報科学を取り入れる動きが国内外で盛んに行われている。NIMSでもデータプラットフォームなど材料に関する実験・計測データの収集を実施している。ここでは、こうした材料の実験・計測データの利活用を目的としたデータ駆動的方法の開発および応用を実施する。特に、材料設計に関わる組成やプロセス条件と、強度や延性、触媒反応や電気特性などの機能・特性の間を適切かつシンプルに回帰できるモデルを実現するために、実験・計測データからの特徴量の抽出、および予測モデルの構築をデータ駆動的アプローチにより実施する。

G10 機械学習に基づいて合金元素組成空間をナビゲーション
Navigate the alloy elemental composition space using machine learning

ディーブ 冴 戸田 佳明 袖山 慶太郎 出村 雅彦

[キーワード]

機械学習

[研究概要]

The optimizaion of chemical compositions of alloys is very important in determining its mechanical properties; however, this process can be a very expensive trial-and-error task, specially when the desired properties are very sensitive to the composition variations. We present a machine learning-assisted method to optimize the chemical compositions of alloys for desired target properties. We combine Monte Carlo tree search(MCTS)and a neural network. Using this method, we were able to find new(could not be found by human experience.) 7-element Ni-base superalloys, that avoid the precipitation of  gamma-prine phase during cooling in 3D additive manufacturing.

G11 科学計算ソフトウエアの開発と保守のノウハ ウ
Sustainability of scientific software development

東後 篤史

[キーワード]

科学計算ソフトウエア開発

[研究概要]

現代の科学技術では、専門的なソフトウエア開発が必要不可欠である。ただし、この開発作業はプログラムを一度書いて動かすだけで完了するわけではない。実際には、継続的なアップデートとメンテナンスが必須である。特に、科学計算ソフトウエアは基盤技術としての重要性を持つため、その持続性が求められる。持続的な科学計算ソフトウエア開発のノウハウについて、経験を踏まえて述べる。

G12 自律自動実験のための汎用ソフトウェア:NIMS-OS
NIMS-OS: General-Purpose Software Enabling Autonomous, Automated Experiments

▶NIMS成果講演10 14:45-15:00(15分)
田村 亮 松田 翔一

[キーワード]

人工知能 ロボット実験 リチウム金属電極用電解質

[研究概要]

ロボット実験装置と材料探索用人工知能(AI)を人が介入することなく連携させ、自律自動材料探索を可能とするための汎用ソフトウェア、NIMS-OS(NIMS Orchestration System)を開発し、オープンソースソフトウェアとして公開しました。材料探索用AIとしては、ベイズ最適化手法を含め、3種類のプログラムが標準的に搭載されています。モデル実験として、NIMS電気化学自動実験ロボット(NAREE)をNIMS-OSで制御し、リチウム金属電極用電解質を探索しました。NIMS-OSを利用することで、ロボットとAIのシームレスな連携が可能となり、電解質探索の自律自動実験に成功しました。NIMS-OSは、https://github.com/nimsos-dev/nimsosで公開されています。

H:技術開発・共用部門/プラットフォーム

H1 微細加工オープンファシリティ
Nanofabrication Open Facility

津谷 大樹

[キーワード]

半導体 微細加工 プロセス開発

[研究概要]

NIMSは、最先端の微細加工プロセッシング装置及びナノスケール観察・評価装置を完備した微細加工クリーンルームをNIMSの研究者のみならず、産学官の研究者・技術者に共用しています。次世代デバイスの材料開発を積極的にサポートするため、材料制限を極力設けないことが大きな特徴です。利用者自らが装置を操作することによって、結果を得るだけではなく、微細加工プロセスやプロセス評価に関する知識や技術を習得することができる点も共用施設を利用する利点のひとつだと考えています。微細加工でお困りのことがございましたら、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

H2 材料研究を支えるNIMSの材料創製・加工技術
Materials Fabrication and Processing

黒田 秀治 檜原 高明

[キーワード]

材料創製・材料加工 設備共用

[研究概要]

マクロ材料加工ユニットおよび材料溶解創製ユニットは、最先端の材料研究を牽引するNIMSならではの装置群とその機能を最大限に活かす高度な技術を用いた研究支援を行っい、NIMSの研究成果に貢献しています。さらに日本の材料研究における材料創製・加工技術のハブとしての役割を果たすために外部機関との設備共用を推進しています。

H3 研究DX化を支援するデータ構造化・共用システムRDE(Research Data Express)
RDE(Research Data Express), a data structuring and sharing system to support research DX

藤間 淳

[キーワード]

材料データ蓄積・共用

[研究概要]

データ蓄積・共用サービスRDEでは、日々実験室で生まれる研究データをオンラインで迅速に登録することができます。登録されたデータは、自動的に再利用可能な形に構造化するためのデータのフォーマットの共通化やメタデータ抽出といった各種処理が施され、データ駆動型のマテリアル研究に適した形で蓄積されます。蓄積されたデータは、研究グループ内で共用に加え、他の研究グループと共用することができ、マテリアル研究開発のDX化を支援します。さらに、広域での共用化も可能であり、我が国のマテリアル研究開発に貢献できるシェアクローズドデータ領域を形成していくことが期待されています。

H4 世界最大級の物質・材料データベース:PoLyInfo, AtomWork-Adv, Kinzoku
World-Class Materials Database:PoLyInfo,AtomWork-Adv, Kinzoku

桑島 功 伊藤 卓郎 松田 朝彦 石井 真史 徐 一斌 小野 嘉則 澤田 浩太 出村 雅彦

[キーワード]

材料データベース データ駆動型研究 高分子・無機材料・金属材料データ

[研究概要]

NIMS物質・材料データベース(MatNavi)は、新材料の開発や材料選択への貢献を目的に、高分子、無機材料、金属材料など8種類のデータベース、構造材料データシートおよびアプリケーションをインターネットを通じて公開している。ユーザ登録を行えば無料で検索・閲覧することができる。また有償サービスとしてAtomWork-Adv提供している。
これまでのマテリアルデータを検索・閲覧し結果を参照する利用に加えて、近年データ駆動研究が注目され、機械学習などで利用するデータセットとして注目されている。データ構造の改良、収集の効率化、データの貸し出しなどをすすめており、これまで以上にデータベースおよびデータセットを利用していただきたい。

H5 液化水素関連機器の研究開発を支える材料評価基盤の整備
Developing a foundation for material evaluations to support R&D on liquefied hydrogen-related equipment

小野 嘉則 和田 健太郎 早川 正夫 日比 政昭 清水 禎 片山 英樹

[キーワード]

水素 極低温 構造材料評価技術

[研究概要]

液化水素関連産業のニーズを反映した仕様の材料評価設備の整備を行います。具体的には、液化水素関連設備で使用される材料が曝される環境(温度は20~353 K、圧力は大気圧~5 MPa)と同等以上の水素環境が実現可能であり、かつ材料の評価試験(引張、破壊靱性、疲労、疲労き裂進展等)が可能な設備を目指して設計・開発を行います。液化水素、高圧水素ガスの利用・管理に適した特殊実験施設の設計・建設を含め、2024年度からの材料評価設備の運用開始を目指します。また、液化水素関連機器の材料に関する規格化・規制見直し・新材料開発を加速するための効果的な材料データベース基盤を構築します。

H6 疲労強度の解明(NIMS疲労データシート)
Study on fatigue strength(NIMS fatigue data sheet)

蛭川 寿 古谷 佳之

[キーワード]

金属疲労 鉄鋼材料 非鉄金属材料

[研究概要]

物質・材料研究機構(NIMS)では、1975年から疲労データシートを作成し、国内外に配布してきた。主な目的は、国産実用材料の標準参照データを提供することである。その結果、JISに定められた代表的な国産実用鋼と非鉄金属材料について膨大なデータを蓄積するに至った。
 最近では、疲労限度の存在も明らかではない表面硬化鉄鋼材料とアルミニウム合金の100億回に亘るギガサイクル疲労特性の取得に取り組んでいる。そこで、ここではこれらの事業について報告する。

H7 先端装置で材料研究を支えるNIMSの材料評価・解析
Materials Evaluation and Analysis to support materials R&D

田中 美代子 松下 能孝 大木 忍 竹村 太郎

[キーワード]

材料評価・解析 先端装置の利用機会 研究・開発を支援

[研究概要]

大学から民間企業まで様々な方に、最先端の計測・評価・分析装置を利用して頂く機会をご提供いたします。ご利用の際は経験・知識の豊富な技術スタッフが全面的にサポートいたしますので、効率的に最高の研究成果を創出することが可能です。X線回折、X線光電子分光等の表面・バルク分析機器から電子顕微鏡、NMR、バイオや有機系の材料分析まで、様々な計測・評価装置を取りそろえています。ぜひお気軽にご相談ください。

H8 マテリアル先端リサーチインフラ/ARIM
NIMS オープンファシリティ/NOF

花方 信孝 出村 雅彦 川田 哲

[キーワード]

共用設備

[研究概要]

ARIM、NOFはそれぞれ充実した研究設備を活かし高度な研究開発支援を行っています。特に前者では最先端装置の共用・高度専門技術による技術支援に加え、データの利活用にも取り組んでおり、後者では得られた成果は非公開の形で支援を行います。

H9 材料研究のためのデジタルエコシステム: DICE
DICE, Digital Innovative Collaborative Ecosystem for materials

篠田 陽子 桑島 功 門平 卓也 源 聡 出村 雅彦

[キーワード]

材料データプラットフォーム マテリアルデータの利活用 研究DX

[研究概要]

データ駆動のマテリアル研究において、マテリアルデータは必要不可欠であり、高品質データを大量に利活用できることへの期待と要望は大きい。
NIMSではこれまで、データ駆動材料研究に取り組むとともに、マテリアルデータを集約・利活用するための材料データプラットフォーム「DICE(ダイス)」を開発・整備し、マテリアル研究のDX化を実践してきた。
DICEは、マテリアルデータの効率的な収集から、再利用しやすい形への構造化と蓄積・共用、AIによる解析までを一気通貫に扱う、マテリアルデータの利活用を追求した材料研究のためのデジタルエコシステムである。

H10 蓄電池基盤プラットフォーム
NIMS Battery Research Platform

増田 卓也 太田 一司

[キーワード]

二次電池

[研究概要]

NIMS蓄電池基盤プラットフォームは、試験用電池の試作から材料の分析評価まで、次世代蓄電池の研究開発に必要なほぼ全ての機能を網羅した最先端の共用インフラです。すべての設備はNanoGREEN棟内にアンダーワンルーフに設置され、質・量ともに世界トップレベルを誇るユニークな研究施設です。蓄電池の研究開発に不可欠な超低湿度環境を実現するために、給気露点-90℃以下のスーパードライルームが設置され、電池試作や電池特性評価を行うことができるほか、多様な先端計測装置により電池で起こる複雑な物理化学現象を観察することができます。

H11 構造材料DX マテリアルズオープンプラットフォーム
Materials Open Platform for Structural MaterialsDX

戸澤 宏一

[キーワード]

構造材料DX オープンプラットフォーム MIntシステム

[研究概要]

内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の第1期「革新的構造材料」及び第2期「統合型材料開発システムによるマテリアル革命」において開発された、マテリアルズインテグレーションシステム(MIntシステム)を社会実装する産学連携プラットフォームとして、構造材料DX-MOPが2023年4月に設立されました。産学の共同研究によるMIntシステムの利活用によって材料イノベーションを促進し、各会員が自らの業績を高めていくべく活動しています。現在、新たな企業会員、アカデミア会員を募集しています。

I:NIMS発ベンチャー

I1 株式会社オキサイド

■関連リンク

株式会社オキサイド Website

I2 株式会社コメット

■関連リンク

株式会社コメット Website

I3 株式会社E-Crystal

I4 株式会社サイアロン

■関連リンク

株式会社サイアロン Website

I5 株式会社マテリアルイノベーションつくば

■関連リンク

株式会社マテリアルイノベーションつくば Website

I6 株式会社プリウェイズ

■関連リンク

株式会社プリウェイズ Website

I7 株式会社Thermalytica

■関連リンク

株式会社Thermalytica Website

I8 株式会社Qception

■関連リンク

株式会社Qception Website

I9 中和科学株式会社

■関連リンク

中和科学株式会社 Website

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