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NIMS材料技術展示会2023 NIMS Technology Showcase

NIMS材料技術展示会2023 NIMS Technology Showcase

NIMS研究者による成果講演

NIMS成果講演1

10:40-10:55(15分)

磁気メモリ・センサ応用のための巨大トンネル磁気抵抗素子の開発
介川 裕章
磁性・スピントロニクス材料研究センター スピントロニクスグループ グループリーダー

トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)はハードディスクや不揮発性メモリに利用されている磁性薄膜を用いた微小な電子素子です。TMR素子は抵抗変化を示す抵抗変化率を示すTMR比が大きいほど実用デバイスの性能の向上が可能になりますが2008年を最後にTMR比の更新が途絶えていました。本研究では単結晶薄膜の技術を結集し、強磁性層とバリアとの界面の結晶品質の向上を進めた結果、最大値を更新する室温631%のTMR比を実現しました。

[ポスター発表情報(カテゴリ[番号])]

磁性・スピントロニクス材料研究センター[C3]

NIMS成果講演2

10:55-11:10(15分)

光メタ表面を用いた単一分子精度バイオセンサ
岩長 祐伸
電子・光機能材料研究センター ナノフォトニクスグループ 主席研究員

メタ表面は人工的な設計により特定の機能を発現するナノ構造表面であり、世界中で研究開発が行われている。NIMSにおいてメタ表面のなかで蛍光物質を特に高輝度化する光メタ表面を見出し、これを活用して、汎用的な蛍光バイオセンサへの応用を進めてきた。これまでに癌マーカー抗原などのタンパク質からセルフリーDNAなどの核酸に至る多様な検出対象の超高感度センシングに成功している。この方法は高感度、特異性、短時間での検出といった社会的な需要を満たす特長がある。

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電子・光機能材料研究センター[B5]

NIMS成果講演3

11:10-11:25(15分)

自己修復機能を持ったイオン伝導性高分子ゲル材料
玉手 亮多
高分子・バイオ材料研究センター 分子機能化学グループ 独立研究者

巨大タンパク質や天然ゴムなどに匹敵する100万を越える分子量を持つ超高分子量ポリマーと不揮発なイオン液体からなる自己修復ゲル材料を、極めて簡便に創製する手法を開発した。このポリマーはリサイクル性に優れ、循環型経済に資するだけでなく、IoT基盤技術に必須の高耐久性フレキシブルデバイス用イオン伝導材料への応用が期待される。

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高分子・バイオ材料研究センター[F4]

NIMS成果講演4

11:25-11:40(15分)

All-perovskiteタンデム太陽電池
白井 康裕
エネルギー・環境材料研究センター 太陽光発電材料 グループリーダー

持続可能な低炭素社会実現には太陽電池の大量導入が不可欠である。シリコン太陽電池の効率が理論限界に近付く中、より高い効率を目指してタンデム太陽電池が注目されている。特に、オールペロブスカイトのタンデム太陽電池が実現すれば、究極の軽量・低コスト太陽電池の実現も期待できる。
ペロブスカイト太陽電池は、2009年に初めて報告されて以来、わずか6年間でそのエネルギー変換効率は20%を超え、その変換効率のみに着目すると、従来のシリコン太陽電池(最高効率 26.7%)に迫る勢いがあり、さらに低温・溶液プロセスで素子を作製可能であるなど、注目すべき可能性を秘めた次世代太陽電池材料である。

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エネルギー・環境材料研究センター(GREEN)[A3]

NIMS成果講演5

11:40-11:55(15分)

高効率水素液化法
夏目 恭平
エネルギー・環境材料研究センター 磁気冷凍システムグループ 主幹研究員

液化水素は脱炭素社会におけるエネルギー媒体として期待されています。水素の液化には大気圧下で20 K(-253℃)まで温度を下げる必要があり、その高効率化は重要な課題です。本研究の目的は、従来の気体の圧縮と膨張によって冷却する冷凍機に代わる高効率な新型の磁気冷凍機を開発することです。これまでに水素液化用の磁気冷凍システムの極低温における駆動を実現し、水素の液化に成功しました。社会実装に向けて更なる高性能化を目指しています。

[ポスター発表情報(カテゴリ[番号])]

エネルギー・環境材料研究センター(GREEN)[A5]

NIMS成果講演6

13:30-13:45(15分)

量子センシング用ダイヤモンド結晶
寺地 徳之
電子・光機能材料研究センター 半導体欠陥制御グループ グループリーダ

ダイヤモンド結晶中に形成されるNVセンタは、高感度磁気センサを始めとする様々な量子デバイスへの応用が期待されている点欠陥である。この優れたセンサ特性は、NVセンタの電子スピン状態が室温でも保持されることとスピン状態の読み取り・書き込みが容易なことに起因している。NVセンタを用いた磁気センサの感度向上には、ダイヤモンド結晶の高品質化や結晶中の窒素濃度の精密な制御が不可欠である。本発表では、量子デバイス応用のためのダイヤモンドの成長とNVセンタの形成について物質・材料研究機構での研究成果を述べる。

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電子・光機能材料研究センター[B6]

NIMS成果講演7

13:45-14:00(15分)

先進観察技術による金属疲労メカニズムの解明 -高温in-situ損傷観察と ex-situ三次元解析-
西川 嗣彬
構造材料研究センター 疲労特性グループ 主幹研究員

金属疲労は様々な機器で問題になるため古くから研究されてきたが、現在でも曖昧な点が多く残されている。中でも重要と言われる課題が、疲労寿命の大部分を支配するミクロな疲労亀裂の挙動である。ここに曖昧さが残されている主な理由は、その観察の困難さにある。NIMSでは、この課題を解決する先進的な観察方法を確立してきた。例えば、ミクロな疲労亀裂を捉える自動顕微鏡システムを開発し応用することで高温下での疲労亀裂をその場観察する方法を確立した。また、大規模かつ高精細な3D解析による疲労亀裂の評価方法を開発した。本発表では、近年の先進的な観察方法と、これにより新たに解明された金属疲労のメカニズムについて紹介する。

[ポスター発表情報(カテゴリ[番号])]

構造材料研究センター[D7]

NIMS成果講演8

14:00-14:15(15分)

サーキュラーエコノミー時代の再生可能接着剤
内藤 昌信
高分子・バイオ材料研究センター 分野長

リサイクルとタフ化の両立は接着剤に求められる未踏課題である。特に水中で強固に接着させる材料は、製造・インフラ補修から、身近な日常生活にまで応用が期待される。本論文では、生物由来の新規接着モチーフとして、カフェ酸に注目した。カフェ酸は、生物接着に特有の接着因子としての機能と、光照射により可逆的な環化反応を起こす。この特徴を利用することで、必要な時に何度でも再利用でき、かつ、不要になったら初期状態に回収することができるタフ化接着剤を開発した。さらに、この光可逆性接着剤に磁性ナノ粒子を添加することで、遠隔操作による磁気誘導加熱を利用した水中接着を実現した。

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高分子・バイオ材料研究センター[F7]

NIMS成果講演9

14:30-14:45(15分)

次世代蛍光体
中西 貴之
電子・光機能材料研究センター 主任研究員

光やX線のエネルギーを吸収し『人に有用な光に変換する物質:蛍光体』は世界の光科学技術を発展させるキー材料です。特に白色LEDを構成する可視蛍光体は様々な色を構築する重要な戦略物質であり長くNimsの得意とする材料となっています。近年、蛍光体用途はμLEDディスプレイや高輝度照明、医療シンチなどの電子産業に加え、セキュリティやコスメのファインケミカルなど多岐の広がりを見せ、用途に併せた特色ある新物質創出が求められます。本発表では、材料化を強く意識し開発した新規蛍光体として、分析光源として近赤外光を多分に含む『超白色LED用途の蛍光体』や『次世代μLEDを指向する狭線蛍光体』を紹介します。

[ポスター発表情報(カテゴリ[番号])]

電子・光機能材料研究センター[B4]

NIMS成果講演10

14:45-15:00(15分)

自律自動実験のための汎用ソフトウェア:NIMS-OS
田村 亮
マテリアル基盤研究センター データ駆動型アルゴリズムチーム チームリーダー

ロボット実験装置と材料探索用人工知能(AI)を人が介入することなく連携させ、自律自動材料探索を可能とするための汎用ソフトウェア、NIMS-OS(NIMS Orchestration System)を開発し、オープンソースソフトウェアとして公開しました。材料探索用AIとしては、ベイズ最適化手法を含め、3種類のプログラムが標準的に搭載されています。モデル実験として、NIMS電気化学自動実験ロボット(NAREE)をNIMS-OSで制御し、リチウム金属電極用電解質を探索しました。NIMS-OSを利用することで、ロボットとAIのシームレスな連携が可能となり、電解質探索の自律自動実験に成功しました。NIMS-OSは、https://github.com/nimsos-dev/nimsosで公開されています。

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マテリアル基盤研究センター[G12]

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